-だからマルチビタミンなのだ-
ビタミンCやE、カルシウムなどが単体で摂られてブームになっています。しかしこれは間違っています。何が間違っているかといいますと、ビタミンやミネラルを単体で多量に摂取しますと、水溶性、脂溶性に限らず副作用や拮抗作用を起こす場合があります。
ビタミンCを摂ると風邪をひかない、便秘に良いガンの予防になる、美容に良いなどの理由で大量に摂取する人がいますが、空腹時などに常時摂取していたら胃酸過多になったり、腎機能や肝機能が低下してしまうことがあるので注意が必要です。ビタミンCもEも確かに私たちの身体には必須の栄養素ではありますが、単体で大量に摂ったといっても急に身体が健康を取り戻すわけではありません。そもそもビタミンやミネラルは微量栄養素といわれるもので、脂肪、たん白質、糖質などのような多量栄養素ではないのですから、毎日少しづつでよいから摂り続けることが大切なのです。
人間が健康を維持するためには、各種の代謝機能が円滑に行われる必要があります。その代謝が正常に機能するためには、特定のビタミンをいくら大量に摂取しても、他の摂取量の低いビタミンの位置までしか吸収されません。
最も効果的にビタミンを活用するためには複合的なマルチビタミンを摂取し、どうしてもある特定のビタミンやミネラルが治療上必要な場合は、マルチビタミンを摂取した上で、トッピングするという摂り方が正しいのです。
ビタミンの単体摂取、過剰摂取についてアメリカのFDA(食品薬事薬務局)の専門委員会はビタミン、ミネラルの大量摂取は、特別な欠乏症の治療や予防のためのみに使用されるべきであると警告しています。
中でもビオチン、コリン、パントテン酸、ビタミンE、ビタミンKに関しては、単体で売られるべきではないとしています。また、ミネラルについては、銅、ヨード、マグネシウム、マンガン、カリウム、フッ素、リンなどは単体で過剰に摂るのは危険であると指摘しているのが目立ちます。このような観点から、FDAの専門委員会は、ビタミンやミネラルの複合製品は、それらの欠乏症に対する合理的な予防や治療に役立つと結論づけています。つまり、許可されたビタミンを使った複合製品、あるいは許可されたミネラルを加えた複合製品は市販されても安全で、その上効果的であるとしています。とりわけ、ミネラルは単体で摂ると拮抗作用といって、逆に栄養のバランスが壊れたり、マイナス現象を招くことにもなります。
例えば、カルシウムなどを単体で過剰に摂取したりすると、ホルモンのバランスが崩れたり、高血圧や腎臓障害になる危険性もあるので注意する必要があります。
これはどうか、あれはどうかと悩んだり、心配するくらいなら、最初からマルチビタミン・ミネラルを摂取すれば無難で効果的であり経済的です。その上で必要に応じてビタミンCやEをプラス摂取したり、カルシウムやマグネシウムを摂取すれば理想的な栄養補助食品の摂取方法と言えます。