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第二章 ビタミン泥棒を退治する

-マルチビタミンには解毒作用がある-

「ビタミン泥棒」とは「ビタミン・バイブル」の著者、アール・ミンデル博士が最初に言った大変有名な言葉ですが、これは現代の私たちの生活環境そのものが一方的にビタミンを奪ってしまう状況下にあることを比喩した言葉です。

まず、大気の汚染、水道の汚染、河川や湖、海の汚染、加工食品中の食品添加物の数々、加工食品製造過程における熱処理、殺菌処理、化学処理、農薬、化学肥料、促成栽培、医薬品、清涼飲料、甘い菓子、冷凍食品、インスタント食品、飲み過ぎ、食べ過ぎ、寝不足、過労、タバコ、ストレス、電磁波の影響、運動不足等々、これらはいずれも一方的にビタミンやミネラルを奪ってしまう、いわば「ビタミン泥棒」という奴です。

そして、日本人の殆どがこの「ビタミン泥棒」に侵害されているのです。最近、環境汚染とともに食べ物による「化学物質過敏症」が多く見られるようになりました。医療専門家も驚くほど、症状は幅広く影響はかなり深刻です。これらは農薬野菜や食品添加物の入った加工食品が主な原因ですが、その他に「シックハウス症候群※」なども化学物質過敏症に入ります。

※シックハウス症候群=新築の住居やリフォーム後に、倦怠感や目の痛み等に悩まされるもの。建材に含まれる接着剤、シロアリ駆除剤、暖房器具の燃焼ガスなどが原因

これらの対症療法は特にありませんが、環境を変えたり、運動をしたり、食べ物や水を変えたりして治療します。

代替医療としては、サプリメント(マルチビタミンやK・リゾレシチン・糖鎖等)を摂って免疫力や代謝機能を高めて体外に有害物質を排出するしかありません。その他には、部屋の換気をよくしたり、農薬はもちろんのこと、食品添加物・化学調味料や殺虫剤などの化学物質を排出するしかありません。

卵や小麦、牛乳など健康的で、ごく普通の食べ物と思われているものでも、アトピー性皮膚炎や喘息の患者にとっては大敵になってしまうほど、化学物質が含まれているのです。

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ところで、かつてのグリコ・森永を初めとする一連の毒入り事件「怪人21面相」は本当に社会悪であったのでしょうか。常識的にはこんな悪い奴は許せません。しかし、一歩離れて健康を志向する消費者の立場からしますと「怪人21面相」は必ずしも社会悪であったと言い切れないような気がします。随分不謹慎な発言だと思われるでしょうが、「怪人21面相」は「どくいり、きけん、たべたらしぬで」と必ず注意を促し、警告しています。その上、一人の犠牲者も出してはいません。その結果、日本中の子どもたちは、いつもより甘いスナックや菓子類を食べる機会が減り、ジュースなどの清涼飲料水を飲むことすら減ってしまったのです。

グリコの事件以来、10ヶ月も菓子離れは止まらず、その結果、日本中の子供たちの虫歯が減り、アトピー性皮膚炎が随分減少したという報告があります。「怪人21面相」が捕まらずに更に脅迫が何年も続いたとしたら、日本の子供たちに倍増中の現代病が減少し、登校拒否、家庭内暴力や校内暴力等の非行化現象も間違いなく減少するでしょう。犠牲者が一人もなく、しかもこのような健康的な社会環境に変貌したとしたら、これこそ犠牲者を出さずに健康社会を創り出すわけですから、まさに健康社会を創造した無血革命とも、名誉革命と言えるのではないでしょうか。「怪人21面相」は「ビタミン泥棒」を一時的に逮捕したことになるのです。

しかしながら、現実の社会は決してそんなにうまくいくものではありません。そこで考えなければならないのは、「ビタミン泥棒」から自分自身を…21世紀を生きる子供たちを護るため、自衛の策を考えなければなりません。それには有害物質を分解したり、解毒したり、体外に運び出してくれるマルチビタミン・ミネラルの摂取が肝要です。ビタミンやミネラルはたった一つが不足しても必ず病気になるほど、大切な栄養素なのです。