第143年会日本薬学会において、2023年3月26日に発表を行った内容を掲載します。
老化線維芽細胞に対するリポソーム化糖鎖の有効性試験<学会発表内容説明資料>
発表学会:日本薬学会 第143年会
会場:北海道大学
開催期間:2023年3月25日(土)~28日(火)
発表日時:2023年3月26日(日)13:00〜13:50
発表題目シアル酸を含む糖混合物の老化線維芽細胞に対する抗老化活性の評価
評価期間:国立大学法人 徳島大学 社会産業理工学研究部 生物資源産業学域 教授 宇都 義浩
【今回の学会で発表した結果と分かったこと 】
•リポソーム糖鎖は、老化が原因で活性が上昇する酵素「β-Gal β-ガラクトシダーゼ)」の活性を抑える挙動を示した。
→リポソーム糖鎖の老化予防・改善作用が示唆された。
•また、「β-Gal」の活性は糖鎖成分を個別に作用させても抑制作用はないが、全てを混合すると抑制作用が得られることが分かった。
→抗老化には糖単体では作用はなく、糖鎖で作用することが示唆された。
•老化はDNAの損傷が激しく起きるため、これを修復する遺伝子 P53 及び P21 の発現量が上昇するが、リポソーム糖鎖はこれらの発現を減少させた。
→リポソーム糖鎖は、老化を誘導する遺伝子を抑制することが認められた。
•老化ではエネルギーである ATP量が減少し、連動してサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を活性化する NADも減少するが、リポソーム糖鎖は ATP量を増加させると同時に、 NADも増加させた。
→リポソーム糖鎖の老化予防・改善作用を更に裏付ける結果を得た。総評として、リポソーム糖鎖は老化を誘導する遺伝子やたんぱく質を抑制すると同時に、細胞のエネルギーを増加させることによって、抗老化に大きく寄与していることが示唆された。
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本内容は、下記から資料をダウンロードいただけます。
第143年会日本薬学会発表纏め資料230630.pdf
( 老化線維芽細胞に対するリポソーム化糖鎖の有効性試験<学会発表内容説明資料>)