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シアル酸を含む糖混合物の老化線維芽細胞に対する抗老化活性の評価

カテゴリー:

臨床試験報告

タグ:

糖鎖学会発表

第143年会日本薬学会において、2023年3月26日に発表を行った内容を掲載します。

下記から資料をダウンロードいただけます。

第143年会日本薬学会発表ポスター 230630.pdf
(シアル酸を含む糖混合物の老化線維芽細胞に対する抗老化活性の評価)

第143年会日本薬学会発表纏め資料230630.pdf
 老化線維芽細胞に対するリポソーム化糖鎖の有効性試験<学会発表内容説明資料>)


シアル酸を含む糖混合物の老化線維芽細胞に対する抗老化活性の評価

【序論】 糖鎖は各種の糖がグリコシド結合によってつながりあった一群の化合物を指しており、生体内で糖蛋白質や糖脂質となり、組織を保護したり、細胞表面に発現したりすることで細胞間の情報伝達に重要な役割を果たすことが知られている。
また、線維芽細胞は、創傷治癒や組織の線維化に重要な役割を果たしており、古くから老化研究に用いられ、線維芽細胞の老化は、肌の老化、創傷治癒の低下や線維化の過形成に伴う病態の発症などにつながることが知られている。最近の研究より、線維芽細胞の老化の機序として老化に伴ってシアル酸量が低下すること、また、シアル酸が線維芽細胞の活性化に重要であることが示唆されている。そこで我々は、老化線維芽細胞に対するシアル酸を含む種々の糖混合物の抗老化活性および作用機序の解明を試みた。

【結果・考察】 19代目に比べて29代目の線維芽細胞はSPiDER β gal活性が増加し、継代培養による細胞の老化とラパマイシンの抗老化活性が確認された。本実験系において、糖混合物およびリポソーム化糖混合物は濃度依存的に29代目の線維芽細胞のSPiDER β gal活性を低下させ、特に1%のリポソーム化糖混合物は糖混合物に比べて有意にSPiDER β Gal活性を低下させた。
また、糖混合物の内、Nアセチルグルコサミン、フコース、マンノース、キシロース、シアル酸をそれぞれ単剤投与し、SPiDER β gal活性を測定したところ、各単糖はSPiDER β gal活性が糖混合物と比較して、有意に低下しなかった。このことから糖混合物として投与することが抗老化に有効であることが示唆された。
続いて、老化マーカーの一つであるP21,P53の発現量をqRT-PCR により定量化すると、 0.1%の糖混合物及びリポソーム化糖混合物は未添加群よりも有意にP21,P53の発現量が低下した。また、老化細胞の細胞内のTotal NAD量及びATP量を測定したところ、0.01%リポソーム化糖混合物では同濃度の糖混合物よりも有意に上昇したことがわかった。以上のことから糖混合物には抗老化作用があり、リポソーム化することでその作用が増強されることが示唆された。