若返り効果が認められ、健康意識の高い方はもちろん、著名人や美容家の間でも話題となっているNMN(ニコチンアミドモノヌクレオチド)。なかには10万円を超すような値段の商品も珍しくありません。
今回、その抗老化パワーについて、リポ糖鎖で驚くべき実験結果がでました。老化や若返りのメカニズム、そしてNMNとリポ糖鎖どちらがより抗老化に力を発揮できるのか。データをもとに、わかりやすく解説していきます。
元気がでない、疲れっぽい…それは老化のサイン?エネルギーと老化の関係

わたしたちが生きていくには、何をするにもエネルギーが必要です。では、エネルギーはからだのどこで作られているのでしょうか?
答えは、細胞ひとつひとつの中に存在している「ミトコンドリア」です。わたしたちの体は約37兆個もの細胞でつくられていますが、ミトコンドリアは、その一つ一つの細胞の中に数100〜数1,000個含まれていると言われています。
ミトコンドリアの主な働き
- ①エネルギーをつくる
- 食事からとりいれた糖や脂肪から、エネルギーの源であるATPを作り出します。
ATPが減少すると、疲れや倦怠感の原因となります。
心臓・脳・筋肉など、エネルギー消費の多い臓器には特に重要です。 - ②長寿遺伝子を活性化する
- 活性化されることで寿命が延びるといわれている長寿遺伝子。
ミトコンドリアは長寿遺伝子と関連し、老化を防ぐ作用が報告されています。
しかし当然のことながら、年齢を重ねるにつれて細胞の数が減り、ミトコンドリアの働きも悪くなっていきます。「食事を変えていないのに太ってしまった」「美容液を使っても実感しなくなった」「たくさん寝ているのに疲れがとれない」―そのような変化は、まさしくミトコンドリアの働きが低下し、代謝スピードが落ちていることが原因かもしれません。
そこをなんとか食い止めよう、ミトコンドリアを元気にしようと、抗老化研究を進める中で発見されたのが「NMN」なのです。
NMNとミトコンドリアの関係
NMNは、もともと身体の中にある成分です。体内で「NAD+」に変換され、ミトコンドリアの働きを支えています。また、前述した長寿遺伝子の活性にも、NAD+が関わっていると言われています。
ミトコンドリアの働きに欠かせないとても重要な物質であるにも関わらず、体内のNAD+量のピークはなんと10代!加齢とともに減少してしまうのです。
そこで、NAD+の材料となる「NMN」をサプリメントや点滴でとろうという考えが広まったのです。
しかし、NMN自体は不安定で酸化しやすく、商品化が難しい成分です。様々な形状・価格帯で商品が展開される一方で、中には低純度のものや“偽物”といわれるようなものも出回っています。また、点滴によって体内のNMN濃度が上がりすぎると、逆にNADを破壊してしまうことなどが報告されており、取り扱いの難しさが課題となっています。
リポ糖鎖 VS NMN!ATP量を測定した結果…軍配はリポ糖鎖に上がりました!
今回の実験は、リポ糖鎖を老化細胞にくわえた場合のATPの変化を調べました。
ATPは、身体を動かすためのエネルギーの源で、糖質や脂質を材料にミトコンドリアで作られるため、ATPが多いほど、ミトコンドリアの働きが良く「若々しい細胞」だと言えます。つまり、老化細胞にリポ糖鎖やNMNを加え、ATP量を測定することで、若返りの力を比較することができるのです。
結果として、リポソーム化糖鎖・通常糖鎖ともにNMNよりも抗老化作用が高い可能性があると判明しました!
アメリカでは、過去にNMNを医薬品として認定する動きがあり、サプリメントとしての販売が禁止されていました。それほどの強い作用を持つNMN以上の力が、リポ糖鎖にあるかもしれません。この結果はまさに、抗老化への大きな一歩と言えます。
リポ糖鎖の抗老化作用をデータで紐解く!
下記が、リポ糖鎖を老化細胞にくわえた場合の実験データです。
老化細胞に、リポ糖鎖・リポソーム化未処理糖鎖・NMNを加えて、ATP量の変化を比較しました。

* マークの意味
グラフやデータの上にある「*」は、“意味のある差が出た”という印です。
研究では、結果が「たまたま」ではなく「本当に差がある」と言えるかどうかを数字(P値)で判断し、その数字がある基準よりも小さいときに「*」をつけて示します。
今回のデータでは「p<0.05」。“この違いが偶然起こった確率が5%より低い”ということを示しています。つまり、“結果は偶然ではなく、信頼できる変化が見られた”と解釈することができます。
向かって左から2つが、比較用のデータです。
- ・若い細胞(白) :数値がこれより低い・同等であれば抗老化作用があったと言えます。
- ・NMN(黒):NMN(抗老化作用が明らかになっている成分)を老化細胞に与えたデータです。
この2つを基準用のデータとし、リポソーム化糖鎖と、リポソーム化していない未処理糖鎖、両方の数値を測定しました。
その結果、リポソーム化糖鎖や未処理糖鎖を加えた細胞では、若い細胞と同程度のATP量になったことが分かりました。また、抗老化の代名詞であるNMNに大きく差がついた結果となっています。
つまり、NMN以上の“抗老化作用”を持つ可能性があるということがわかりました。
また、今回の実験では、意外にもリポソーム化糖鎖よりも未処理糖鎖のほうが良い結果が出ています。リポソーム化は成分を守りながらゆっくり放出させる仕組みですので、反応が穏やかになった可能性があります。長期的な働きや安定性を加味すると、リポソーム化糖鎖には、未処理糖鎖と同じくらいの抗老化作用があると考えられます。
糖鎖情報館





