神経伝達のメカニズム
ひとつの神経細胞は図のような形をしていて、長い「軸索(神経線維)」から短く分岐した「樹状突起(シナプス)」があります。このような神経細胞が数千億個もつらなって休むことなく情報を運んでいます。この情報を「神経伝達物質」と言い、電気信号として運ばれます。神経伝達物質はアセチルコリン、GABA、セロトニン、ドーパミン、アドレナリンなど、興奮、抑制・鎮静といった特徴ある情報をもっています。
これら情報を、必要な量を必要な時に、必要な部位へ、正確かつスピーディに運ぶことが出来るかが、脳の情報処理能力です。神経細胞が健康でなければ多くの情報を処理することはできません。一般的に「頭がいい」「記憶力がいい」というのは、脳内の情報処理能力に比例します。
神経細胞の突端にあるシナプスの数は一個の神経細胞で20万個、脳全体で10兆~20兆にもなります。このシナプスがコンピューター回路のスイッチの役目をして、記憶を蓄えたり、思い出したり、情報を伝達したりしているのです。
精神疾患や認知症は、シナプスの数が減り、神経組織が委縮しています。 脳細胞は、20歳頃から1日10万~20万個の細胞が死滅し、しかも再生能力はほんの僅かです。
記憶力のピークは18~22歳頃と言われており、その後、徐々に低下します。加齢性ではありますが、ストレスや栄養不良もまた、委縮を加速させますので、脳をサポートする栄養素の補給は、「加齢」のみならず「ストレスや栄養バランス」の問題とも言えます。