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第七章 老化防止とボケ防止にマルチビタミン

-男性の更年期障害もビタミン不足-

普通「更年期」と言えば、一般に女性の閉経期前後のことを指し、この時期に心身が不安定となる症状のことを「更年期障害」と言っています。ところがこうした更年期障害が、女性だけでなく実際には男性にも多く見られることが1989年6月、札幌市で開催された日本ビタミン学会において、日本女子大グループの研究報告で明らかになりました。

この調査研究は、江沢郁子教授らの同大グループに加え、東大の細谷憲政名誉教授、帝京大学の安田和人教授らの参加と東京都本郷保健所の協力で行われたものです。同保健所の検診を受けた40~60歳の男性180人を対象に、検診と血中のビタミン濃度(ビタミンB1、B2、B6、C、A、Eの6種類)を測定したところ、腰痛、視力の低下、嗜好が変わった、懐古的になった、精神的、心理的に不安定要素が増してきた等の症状を訴えている者ほど、ビタミンB群の欠乏が目立ったことが報告されています。

一般に節目の時期には、加齢に伴う身体的な機能低下とともに、栄養素などの予備能力や貯蔵能力も低下するので、特に水溶性ビタミンなどは潜在性欠乏症に陥りやすいと考えられます。

Hypovitaminosis

また、遠距離通勤や深夜帰宅、外食、喫煙、無理をしている人などのビタミン不足も目立っています。このように、加齢とともにビタミンは不足し老化を促進しますので、生活様式や仕事、食事の内容に気をつけると同時に、規則正しい生活や適度な運動を心掛ける必要があります。歳を取ると次第にあっさりした食べ物ばかりを好むようになりますが、たん白質(アミノ酸)が不足すると老化が促進されますし、肝機能が低下しますので、良質の高たん白質を十分に摂るようにしなければなりません。

ビタミン不足ということは、同時にミネラル不足であることも忘れないで欲しいと思います。ビタミンがその機能を発揮するためには、ミネラルの協力と援護がなければ何も出来ないのですから。

ボケ予防にはビタミンB群、CやEが必要になります。これらは、特に脳神経細胞にとっての不可欠の栄養素であり、微妙な脳内のメカニズムを安定させる働きがあります。

ビタミン・ミネラルは大切な生理活動の調整役を果たしておりますが、同じ調整役を務めるもう一つの物質「ホルモン」も実際にはビタミン・ミネラルの媒介によって体内で合成されるのです。従って、ビタミンの欠乏はホルモンの合成に直接影響を与え、更年期における心身の乱れを助長し、老化を促進し、ボケ症状を招くことになります。

更年期に入ってからのビタミン・ミネラルの摂取では遅すぎますので、これらはできるだけ若い頃から摂取することをお勧めしたいと思います。